昭和3年(1928年)3月、静岡の地に産声を上げてから、2028年にはいよいよ創業100周年を迎えます。
書籍一筋に歩んできたこの長い歴史は、ひとえに地域の皆さまのご支援があってこそのものです。

昭和47年(1972年)9月、ユニー金沢文庫店(現アピタ金沢文庫店)内への出店を機に、横浜・金沢の地へと活動の場を移しました。
以来半世紀以上にわたり、「書籍を通じて地域に貢献する」 という一貫した信念のもと、地元の皆さまとともに歩んでまいりました。
私たちが大切にしてきたのは、「地元才能発掘書店」というキャッチフレーズに込めた想いです。
横浜・金沢区をはじめとする近隣地域ゆかりの書籍を積極的に取り揃え、まだ世に知られていない地元の才能や文化を、本棚を通じて発信し続けてきました。
店舗のシンボルには、金沢区の名産品である**蝦蛄(しゃこ)**をモチーフにした家紋を制作。
この印象的なシンボルは、地域の皆さまとの絆を象徴するものとして、私たちのアイデンティティとなっています。

平成20年(2008年)3月からは、学校教科書の取り扱いも開始。
書籍販売という原点を守りながら、地域の教育を支える役割も担うようになりました。
平成19年(2007年)7月、自社内に出版事業部を立ち上げ、書店から**「作る側」への挑戦が始まりました。
手がけた『金沢文庫 パノラマ 鳥瞰地図』、『金沢区いざという時便利帳』は、いずれも自社店舗のみで2,000部以上を販売するベストセラー**に成長。
読売新聞・毎日新聞といった全国紙をはじめ、多くの雑誌・業界紙からも注目を集めました。




さらに自費出版事業へも領域を広げ、顧客から受注した『横浜金沢の潮風』はわずか1ヵ月ほどで500部を完売。

『帰来草』も地元タウン誌などで取り上げられるなど、地域発の出版文化を着実に育んでいます。

地元書籍を取り扱う中、地元ゆかりの著者の膨大なコレクションを拝見する機会を得たことが、浮世絵との出会いでした。
もともと金沢区は、歌川広重の名作**『金沢八景』**シリーズをはじめ、浮世絵と深いゆかりのある土地。
発行から数百年を経てもなお色あせないその美しさに魅了され、浮世絵の取り扱いを決意しました。

復刻版浮世絵版画の版元と契約を結び店頭販売を開始すると大きな反響をいただき、**「浮世絵版画専門店 岩下書店」**としてウェブショップを開設。
全国よりご注文をいただけるようになったことを機に、海外向けサイトも開設。
今では日本国内にとどまらず、世界中のお客さまからご注文をいただける浮世絵の発信地へと成長しています。
2015年、新たに貿易事業を開始し、国内外のオンラインプラットフォームを舞台に、自社開発のオリジナル商品の販売を展開。
創業以来培ってきた「ものづくりへの真摯な姿勢」と「地域に根ざした視点」を活かしながら、活動の場を国境を越えてグローバルへと広げています。
書籍、出版、浮世絵、そして貿易へ——私たちが歩んできた道のりは、常に「コンテンツとモノを創り、人へ届ける」という一本の軸でつながっています。
日本における商業出版の原点である浮世絵が象徴するアナログの世界から、ECサイトやオンラインプラットフォームが広げるデジタルの世界まで。
手で刷るアナログの文化から、クリックで届くデジタルの時代まで。コンテンツとモノで、人と世界をつなぐ企業。
それが、私たち岩下書店の姿です。
2028年、私たちは創業100周年という歴史的な節目を迎えます。
一世紀にわたって本と地域を結び続けてきた証として、これからも新たな挑戦を続けてまいります。
どうか次の100年も、変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。